
1. UIテストは全部自動化するべき?ちょっと待って!
UIテストはユーザーの操作をシミュレートするので、頻繁に使われます。しかし、UIは変更が多いもの。たとえば、ECサイトで商品ページのデザインをちょっと変えただけで、自動化スクリプトが動かなくなることもあります。
実際にあるケースでは、ある大手ECサイトがUIテストの自動化を進めていましたが、頻繁な画面改修によりテストスクリプトがしょっちゅう壊れて、メンテナンスだけで膨大な時間を取られてしまいました。結果的に自動化の効果が薄れ、手動テストの方が早いという逆転現象が起きました。
2. 自動化が逆効果になるケースって?
・頻繁なUI変更によるスクリプト破損
先ほどのECサイトの例のように、変更に追いつかずテストが止まってしまう。
・必要ないテストまで無差別に自動化
例えば、ほとんど使われない管理画面のテストも自動化してしまい、管理が煩雑に。
・初期投資の見積もりミス
あるスタートアップではテスト自動化ツールを導入したものの、準備不足で結局使いこなせず放置。
・テスト設計不足による効果薄化
テストケースが適切でないためにバグが見つからず、テストの意味が薄くなった。
3. 機能テストとUIテストの違いを理解しよう
機能テストは、APIや裏側のロジックなど画面に依存しない部分の検証が多いです。例えば、会員登録処理のAPIが正しく動くかをチェックするテスト。こういったテストは安定しているので、自動化に向いています。
一方でUIテストは、実際にブラウザやアプリの画面を操作するため、画面レイアウトや操作フローの変更で壊れやすいのが特徴です。
4. 自動化の失敗例から学ぶこと
ある金融系の企業では、全てのUIテストを自動化しようとした結果、ツールのメンテナンスに追われる日々に。テスト設計も曖昧で、どのテストが重要か分からず混乱。結局、リリーススケジュールに間に合わず、手動テストに戻す判断をしました。
ここで得られる教訓は、「自動化は万能じゃない」「きちんと計画を立てて効果的な範囲を選ぶことが大切」ということです。
5. 自動化を進めるときに考えるべきポイント
・変更頻度が低くて安定した部分か?
たとえば、会計処理の計算ロジックなどは変更が少なく自動化向き。
・テストの実行頻度は?
毎日何度も回すテストは自動化すると大幅に効率化できる。
・メンテナンスコストを見積もっているか?
例えば、UIテストのスクリプトは1年で数十回以上修正が必要になることもある。
こうした点を踏まえ、自動化の範囲を賢く選定し、手動と組み合わせて運用することが成功のコツです。
機能テストやUIテストの自動化は、しっかり計画し実行すれば大きな効果を発揮します。しかし、「自動化さえすれば全部OK」というのは間違い。特にUIテストはメンテナンス負荷も考慮しながら、バランスよく進める必要があります。自動化はあくまでも効率化や品質向上の“手段”であり、目的ではありません。正しい戦略で取り組むことで、自動化はあなたの開発を強力にサポートしてくれます。
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