
1. モバイルアプリとWebアプリとは?
モバイルアプリは、スマートフォンやタブレットに直接インストールして使うアプリで、iOSやAndroid向けにネイティブ開発またはハイブリッド開発されます。
一方、Webアプリはブラウザ上で動作するアプリケーションで、URLを入力するだけで利用でき、インストール不要です。
UIの設計方針は、これらの「利用環境」と「デバイス制約」によって大きく異なります。
2. UIデザインにおける7つの明確な違い
操作インターフェース
・モバイル:指で触れることが前提。タップ領域(44px以上)やスワイプ・長押しの設計が必要。
・Web:マウス+キーボード操作中心で、ホバーやスクロール、ショートカットキーの活用が可能。
ナビゲーション設計
・モバイル:ボトムタブ、ドロワー(ハンバーガーメニュー)など、画面下部への要素集中が一般的。
・Web:トップナビやグローバルメニュー、パンくずリストなど、複雑な構造にも対応できる。
デバイス・OS特有のガイドライン
・iOS:Appleの「Human Interface Guidelines」に沿って設計
・Android:Googleの「Material Design」が基本指針
・Web:WCAG、SEO、アクセシビリティ、レスポンシブデザインなど、多方面の最適化が必要
通信環境の考慮
・モバイル:オフライン時のキャッシュ、リトライ設計、プッシュ通知なども考慮
・Web:ページ表示の高速化(Core Web Vitals対策)、CDN活用などが中心
更新と配信の違い
・モバイル:アプリストアの審査、バージョン管理の煩雑さがある
・Web:リアルタイムでアップデート可能(CI/CDが一般的)
UIパターンの種類と制約
・モバイル:コンポーネントは限られているが、標準化されており使いやすい
・Web:HTML+CSS+JSによるカスタム設計が自由だが、複雑さと負荷に注意
アクセシビリティと国際対応
・モバイル:音声読み上げ(VoiceOver, TalkBack)など、アクセシビリティAPIへの対応が必要
・Web:キーボード操作、カラービジュアル調整、多言語・多文化対応が必要
3. モバイル・Webで意識すべきUXの原則
どちらのアプリでも以下のUX原則を守ることが、ユーザーの満足度と継続利用に繋がります。
・レスポンスは0.1秒以内:タップやクリックに即時反応する体験が理想
・予測可能な導線:次の行動をユーザーが迷わず取れる設計
・フィードバックの明確さ:ボタンを押した後の動作や完了表示を明確に
・デザインの一貫性:ブランド・トーン・インタラクションに統一感を持たせる
4. UI設計を進める上で使いたいツール
また、JiraやNotion、Zeplinなどでデザインと開発の橋渡しを円滑にすると、フィードバックループが高速化します。
5. 開発・デザインの連携で起こりやすい落とし穴
・同じUI設計をWebとモバイルに流用してしまう
→ それぞれのUXに最適化された設計が必要。完全な共通UIは避けるべき。
・ナビゲーションの考慮不足
→ モバイルはボトム重視、Webはトップ重視という設計思想の違いを理解する。
・アクセシビリティが後回し
→ キーボード非対応、タップ領域の不足、色覚配慮の欠如など、後々の修正コストが高くなる。
モバイルアプリとWebアプリでは、UIデザインにおける要件やユーザー行動が異なるため、それぞれに最適化されたアプローチが求められます。特に操作性、ナビゲーション、レスポンス、アクセシビリティなど、ユーザーの体験に直結する要素を意識することが成功の鍵となります。共通デザインに頼りすぎず、各プラットフォームの特性を活かした設計こそが、ユーザー満足度と事業成果の両立につながるでしょう。これからUIデザインに携わる方は、本記事の内容を参考に、自社アプリやプロジェクトに合ったUI戦略を築いてみてください。
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