
1. Dartとは?Flutter専用と思われがちだが…
DartはGoogleが開発したオープンソースのプログラミング言語で、「Flutterで使う言語」として広く知られています。しかしDartは、モバイルUI構築に留まらず、Web・CLI・サーバーサイド開発にも対応する汎用言語です。
・静的型付け言語(TypeScriptに似た記述感)
・JIT/ AOT両方のコンパイルに対応(開発時は高速、リリース時は高パフォーマンス)
・モダンな文法(async/await, null safety, Future, Stream など)
Flutter開発の経験者にとって、フロントもバックエンドもDartで完結する世界は、非常に魅力的に映ります。
2. Flutterブームの裏で進化するDart
Flutterの爆発的普及に伴い、Dart自体も急速に進化しています。特に注目すべきポイントは以下の通りです。
・Null Safetyの導入:コンパイル時にヌルエラーを検知
・Isolateによるマルチスレッド処理:Web Workerのように非同期でも安全
・dart:io と dart:convert の強化:I/O操作やJSON変換を簡単に
・CLI開発への対応:Dart CLIツールや pub.dev 上のツール群の充実
これにより、Dartは「モバイルUI専用」から「フルスタック言語」へと変貌を遂げつつあります。
3. サーバーサイド開発に使われるDartの実力
Node.jsと同様に、Dartは非同期処理を得意とするため、サーバーサイドのAPI開発にも向いています。特に以下のようなシナリオでDartは有力です。
・Flutterで構築したアプリの専用API
・軽量なマイクロサービス
・FirebaseやSupabaseなどのBaaSとの中間層としての使用
・開発メンバー全員がDartを扱える体制での開発
特筆すべきは、Dartがサーバー上でも同様に高いパフォーマンスを発揮できる点です。これはAOT(Ahead-of-Time)コンパイルの恩恵です。
4. Node.jsの代替になり得る理由と課題
DartがNode.jsの代替になり得る主な理由は以下の通り。
利点
・静的型チェックによるバグの早期発見
・Flutterとの統一言語による開発効率UP
・高速な非同期処理モデル(Isolate)
・簡潔で読みやすい構文
・セキュリティを考慮した言語設計(null-safetyなど)
課題
・エコシステムがまだ成熟していない(npmに比べてpub.devは規模が小さい)
・日本語や英語の技術情報がまだ少ない
・フレームワークの選択肢が限定的
Node.jsは巨大なnpmエコシステム、豊富なコミュニティナレッジ、DevOpsツールとの統合などにおいて、依然として強力なポジションを保っています。
5. Dartで注目すべきバックエンドフレームワーク
・Shelf
もっとも広く使われている軽量Webフレームワーク。Express.jsに近い設計思想で、ミドルウェアベース。
・Dart Frog
Flutterコミュニティが中心となって開発。ルーティング、ミドルウェア、DIなどが最適化されており、フロントエンドAPI開発向き。
・Aqueduct(※開発停止)
ORMや認証機能などを内包する本格派フレームワークだったが、現在はメンテナンス終了。現在は代替にShelfやDart Frogが使用されている。
6. DartとNode.jsの比較【パフォーマンス・開発体験】
7. Dartは今後どう進化する?将来性と戦略
Dartは2020年以降のFlutterの成長とともに、エンタープライズ向けでも注目され始めている言語です。特に以下の分野での活用が期待されます。
・フルスタックFlutter開発(Flutter + Dart Shelf/Dart Frog)
・WebAssembly対応の進化
・Google社内サービスでの採用拡大(e.g. Ads系サービス)
・BaaS、FaaS、GraphQLとの親和性向上
Dartは、FlutterによるUI開発を超えて、サーバーサイドやCLI、Webアプリ開発といった幅広い分野での可能性を秘めた言語です。Node.jsと比べても、型安全性や開発体験において優位な部分があり、特に小〜中規模のアプリケーションでは導入しやすい選択肢となり得ます。今後は、エコシステムや事例がさらに充実することで、Dartは「フルスタックDart開発」という新たなトレンドを牽引する存在になるかもしれません。Dartでのバックエンド開発に今のうちから触れておくことは、将来的に大きな武器となるでしょう。
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